ザンちゃんのブログ 聖士さんが酷い世界2

※親から子への虐待表現あり 閲覧注意

---
 家に帰ってきたキヨテルは、レシートと食費用財布を一緒にテーブルに置くと、買ってきたものを冷蔵庫にしまった。
 中学生の頃、前の人が別会計で買い物をしているのを見て、自分もそうすればバレないのではないかと思い、1つだけお菓子を買ったことがある。が、財布の中身を把握していた父には分かってしまい、鞭で、あちこちに痣が出来るほど散々殴られた。
 お菓子を買ったことそのものよりも、騙そうとしたことが頭にきたらしく、断りもなくお菓子を買っただけだったら、手でお尻を打つだけで済ませたと言われた。
 それからは、おやつが欲しい時は、お願いするようになった。我が侭だとお尻をぶたれるだけで終わる方が多いが、たまには許してもらえる。
 キヨテルは居間に行き、取り込んだだけで、つみあがっている洗濯物をたたみ始めた。
 それが終わったら風呂掃除だ。この世界の聖士はキヨテルを甘やかしてはくれないので、やることが結構あるのだった。
 きちんと出来て当然で、やり忘れたり、雑だったりすると、お仕置きが待っているので、気を使う。


 やることを全て終えたキヨテルは、部屋に戻ってくると、ベッドに横になった。父から疎まれているが、部屋は与えられていた。部屋に入れておけば姿を目にしなくて済むから、だそうだ。子供の頃は寂しくて仕方なかったが、今は気楽に思えるようになっている。
 スーパーでKAITOと話したことは楽しいことだろうかと考える。本が面白かったのは失敗だった。これはお仕置きだろう。タイトルと目次からつまらなそうな本だと思って選んだのに。
「お尻を酷くぶたれますよね……。KAITOさんとのことも楽しいと判断されたら、ぶたれるのはお尻だけではすみませんね……。」
 前の痣が大分治ってきたのに、また痣が出来るのかもしれない。キヨテルは気が重くなってきた。
  暫く横になって疲れが取れたキヨテルは、起き上がると勉強を始めた。成績関連で父に叱られることはないが、
「高校に行かせないのは世間体が悪いですし、仕方ないから通わせてやりますけど、3年で卒業出来ないなら退学させますからね。」
 と言われているのだ。
 復習をしていると、父が入ってきた。
「キヨテル、食事の支度を手伝いなさい。」
「はい。」
 キヨテルが立ち上がると、父はさっさと部屋を出て行った。
 『ぶたれなかったですね……。きちんと出来ていたんですね。良かった。』
 キヨテルは安堵の息をついた。
 買い物、洗濯物の片付け、風呂掃除……家事のどれかにミスがあると、この時点でお仕置きされるので、何もされなかったということは、全部きちんと出来ていたということになる。


 食事後。キヨテルは部屋に戻ってきて、勉強の続きをしていた。父の見ているテレビ番組が終わったら、学校で起きたことを報告する。
 別の世界のキヨテルは帰ってきた直後に、出迎えてくれた父に報告するが、この世界のキヨテルは夕食後、少し時間が経ってからがそれにあたる。
 本が面白かったので、お尻をぶたれるお仕置きはほぼ確定しているが……。
 『問題はスーパーでのKAITOさんとの会話……なんですよね。鞭でぶたれるのは嫌ですが、どうなるんでしょう……。』
 不安な気持ちが解消されず、勉強が手に付かなくなってきたキヨテルは、諦めてノートをしまった。何も出来ないまま、時間が過ぎるのを待った。
 暫くすると、戸が開く音がしたので、キヨテルは振り返った。父が部屋に入ってきた。彼はキヨテルのベッドに座る。
 キヨテルは図書館で借りた本を手にすると、父の前に立った。
「今日はどうでしたか? それと、この本は何ですか?」
 父がキヨテルの手から本をとった。
「今日、学校では特に何もありませんでした……。嬉しいことも楽しいこともなかったですし、叱られたりもしていません。
 その本は、学校で楽しい思いをしないように、図書館で借りたものです。タイトルと目次から、面白くなさそうだと判断したのですが……。」
 キヨテルは俯く。父が本を開いて、パラパラとページをめくる。
「休み時間にこの本を読んでいれば、クラスメイトに声をかけられることもなく、静かに過ごせると思ったわけですね? しかも、面白くない本だから、わたしからお仕置きを受ける必要もないと。」
「はい。でも……。」
 キヨテルは手を握り締める。
「その様子だと、この本は面白かったんですね。」
 父が本をパタンと閉じて、脇に置いた。
「はい……。」
「栞がはさんでありましたが、読みかけなんですか。」
「はい。」
「……。」
 父が脇に置いた本を眺める。何か考え込んでいるような表情の父を見て、キヨテルは戸惑う。
「……あの、お仕置きは……。」
「面白い本なら、最後まで読みたいですよねえ?」
 父が少し意地悪な顔で微笑む。
「出来れば……。でも、我が侭は言いません……。明日、きちんと返してきます。」
「読んでもいいですよ。」
「えっ!? ほ・本当ですか?」
「嘘はつきません。ただ、条件があります。」
「条件ですか……。」
 キヨテルはごくりと唾を飲んだ。



完成した日12年8月8日

★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 よりによって、これが続きを書くほどやる気が出る話なのか……。ハイキングとか、KAITOとのエロいお仕置きが待ってる「キヨテルという男」とか、聖士さんが叩きたいカーの楽しい奴じゃなく。

 にゃぽで嫌なことがあって、ちょっと落ち込んでるから、暗い話を書くのが今のわたしにあってるということかね……。