ザンちゃんのブログ アナザー悪魔界1 書きかけ

 悪魔界の名門貴族・ヒヤマ家に生まれたキヨミは、姉達とは違い、貴族の娘ではなく、性奴隷として扱われていた。妾や使用人の娘ではない。れっきとした正妻の血を引いているのにもかかわらずだ。
 ただ、本人はそれを意識したことはない。言葉も教えられていない彼女は自分の扱いに疑問を持つ知識すらなかった。彼女に分かるのは、この部屋を訪れキヨミを好きにする男達の中でただ一人、眼鏡をかけ、キヨミに「お兄様」と呼べという、「キヨテル」が好きだということだけだった。
 彼は他の男達と違い、キヨミに痛いことも、性的なことをさせることもすることもなかった。彼は、キヨミに言葉などを教え、上手く出来た時には優しく撫でてくれた。他の男達は決してしないことだ。
「オ、ニイ、サマ。」
 キヨミは呟いた。こうして口にしていれば、彼が来てくれる気がして、彼女はもう一度口を開く。「オニ、イサ、マ。」
 扉が開いた。願いが叶ったのかと期待するキヨミの目に写ったのは、「キヨテル」ではなかった。キヨミの瞳から光が消えた。彼女は入って来た男が好むように、艶っぽい笑みを浮かべた。


 男が出て行った後、メイド達が入って来て、キヨミを清め始めた。次に楽しむ男の為に、キヨミは身綺麗にしていなければならないのだ。磨かれている最中に、扉が開いた。今度こそ、キヨテルが入って来た。
「オニイ、サ、マ!」
 キヨミはメイドを押しのけ、よろよろ歩いた。空の飛び方は知らず、歩き方も教わり始めたばかりなので、歩きを覚えたばかりの幼子のようにしか歩けないのだ。
「そんなに興奮する程、僕が好きになったんですね。キヨミ。嬉しいですよ。」
 キヨテルが嬉しそうに微笑んだ。「それはいいですけど、メイドの仕事を邪魔してはいけません。大人しく座っていなさい。」
 キヨミは元の姿勢に戻された。メイド達が作業を再開する。
「はい。」
「“はい”だけは滑らかに言えるようになりましたね。早く、“お兄様”も滑らかに言えるようになって欲しいものです。」
「ゴメ、ナサ、イ?」
 キヨミは首を傾げた。
「正しくは“ご免なさい”ですけど、この場合、僕が我が侭を言っただけですので、謝らなくていいですよ。実際、迷ってますよね。」
 キヨテルが苦笑する。「“はい”でいいんですよ。」
「はい。」
 少しすると、作業を終えたメイド達が静かに退室していくのを見届けてから、キヨテルが側によってきた。胸の上あたりを軽く触られたキヨミは、彼を見上げた。「キヨテル」はこういうことはしない筈だったのにと思ったが、彼の表情は暗いものだった。
「?」
「胸に触ったから気にしてるんですね。心配しなくても、お前に性的魅力は感じませんよ。」
 キヨテルが苦笑しながら頭を撫でてくれたので、キヨミは安心してにっこり微笑んだ。「ドレスをあつらえてやりたいんですけど、父に駄目だと言われてしまったので、残念に思っていただけです。」
「ど、れ……?」
「ドレスですよ。お前以外の皆は、服を着ているのは分かるでしょう
? お前にも可愛らしいドレスを着せたいのですよ。ですが、服を着ることを覚えると、恥じらいを知り、脱ぐのに抵抗するようになるかもしれないから駄目だと。服を破いてのレイプのようなプレイを好まないだけマシですけども……。」
 キヨテルがふうっと溜息をつく。「キヨミに理解出来ない話をしても仕方がないですね。さて、今日は前回の続きて、歩く練習をしましょうか。さっきのは、興奮していたとはいえ、酷いものでした。」
「はい。」
 キヨテルが歩き出したので、キヨミも真似して歩く。
「僕の真似だと、当然、男らしい歩き方になってしまうのですが、まだまともに歩くことも出来ないのに、女らしい歩き方を要求するのはさすがに厳しいですよね。」
 キヨミは立ち止まると、兄の顔を見た。「キヨミ、僕の独り言は気にしないで、歩きましょう。」
「はい。」
「いい返事ですね。疲れたら教えて下さいね。」
「はい。」
 再び、キヨミは兄の真似をして歩き出した。キヨテルの教育は、キヨミが疲れるか、次に誰かが彼女を抱きに来るまで続く。


 キヨミを妹として扱うキヨテルの行為は、家族達に酔狂だと言われていたが、彼からすれば、家族達の方が異常だった。男達は血の繋がりのあるキヨミをモノ扱いし、女達はいないモノとしていた。父や兄が、娘や姉や妹達を可愛がるのと同じ手で、キヨミをいたぶることが出来るのが、キヨテルには不思議でしょうがない。彼等にすれば、キヨミは他の家族とは“チガウモノ”らしいが、キヨテルにすれば全員同じ家族だ。
 この家において感覚を共有出来ない自分は、偽善者なのかもしれないし、驕っているのかもしれない。キヨミを教育するということは、妹に自分がどんな扱いを受けているのか自覚させる可能性もある。知らないからこそあるがまま受け入れているのに、知ってしまったら、妹は酷く傷つくだろう。それはエゴでしかない。
 しかし、キヨテルは母や姉や他の妹達を愛しているように、キヨミも愛していた。彼女にも普通の幸せを与えたかったのだ。自己満足に嫌悪することもあるが、最近は部屋を訪れる度に嬉しそうな顔を浮かべるキヨミを見ていると、自分の行為を正当化してもいのではないかと思ってしまう。
 このまま教育を続けていれば、いずれ結果が出る。その時にキヨミに責められる姿ばかりが思い浮かぶ。それでも止めることが出来ないでいる自分はやはり悪魔なのだと思う。


 それから暫く経ち、キヨミが普通に歩くことが出来るようになった。今は、色んな言葉と、女性らしい歩き方を教えられていた。キヨテルの教育により、キヨミが知識をつける意味を父も感じているらしく、最近は阻害されることも多くなってきた。特に空の飛び方を教えるなと強く言われた。キヨテルは思ってもみなかったが、逃亡を危惧したものらしい。
 しかし、キヨミは知識欲が出てきたらしく、今度は何を教えてくれるのかと期待するようになっている。たどたどしい言葉で、せがまれると断ることなど出来ない。

 

13年9月25日

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 前に設定だけ書いたやつ。サイトに移動したので、↓から。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~zanneko/cgi-bin/htmldwarf/novel/bokaro/sonota/anaakuma-se.html

 久しぶりに書いたちゃんとした小説がこれかよw って感じだけども。