ザンちゃんのブログ 彼とデート

2013.12.09 彼とデート
 ホワイトクリスマス。キヨミは雪が降る外を眺め、ため息をつく。
「デートとしてはホワイトクリスマスになったのは素敵だけど、寒いものは寒いのよね。」
 寒くて出かけたくないと思ってしまう。デート相手は大好きなKAITOだが、二人のつき合いはそれなりに長いので、寒さが気にならないくらいウキウキする……という程、気持ちが盛り上がるわけでもない。「でも、“寒いから止めよっか”なーんて言ったら、怒られるよね。
 しょうがない、行きますか。」


 支度を済ませたキヨミは、教会にいる父へ声をかけた。幼い頃に両親を亡くしたキヨミは、叔父で神父の父に育てられている。
「お父様、行ってきますねー。」
「いってらっ……しゃい。」
 振り返った父は微妙な顔していた。
「愛娘が男とデートって、やっぱり嫌ですか。」
「初めてじゃないですし、今さら何を。」
 父が苦笑している。「そうではなくてですね。デートだっていうのに、その着膨れはないでしょう。100年の恋も醒めるとまでは言いませんが、もう少し可愛らしくしましょうよ。」
「だって、雪が降ってるし寒いんです。それこそ初めてでもないですし、色気よりも暖かい方が大事ですよ。」
「キヨミは男心を分かった方がいいですよ……。」
 父は呆れていたが、
「人間界で暮らしている以上、KAITOさんだって、分かってくれますよ。」
 キヨミはにっこりとほほ笑む。
「そういう問題じゃなくてですね……。」
「じゃ、行ってきますね。」
 キヨミは教会を出て行く。
「わたしの話は終わってなかったんですけどね。……ちょっと、KAITOさんに同情してしまいます。」


 待ち合わせ場所に着いたが、まだKAITOは来てなかった。
「あの人、羽もあるし、テレポート魔法も使えるのに、待っていたことないな。」
 キヨミは唇をとがらせる。「普通、“ちっとも待ってないよ”なんて言いつつ、待ち合わせより1時間も先に来ちゃうもんじゃないの? 男の子って。」
 それなり長い付き合いだからといって、可愛いらしい服よりも、防寒を優先した自分を棚にあげて、愚痴るキヨミ。
「なーに、勝手なこと言ってんだよ。」
 振り返ると、キヨミとは違い、ばっちりキメたKAITOが笑いながら立っていた。「つーか、何だ、その格好。雪だるまが立ってるかと思ったぞ。」
「寒いんです。あなたは人間じゃないから、平気なんでしょうけど。」
「俺だって、普通にしてたら寒いさ。」
 KAITOは外国人のように肩をすくめた。「時間よりも早く来てしまうのが男の子だって言うなら、真冬だろうが素足を出してお洒落しちゃうのが女の子じゃないのか。」
「それを言われると……。」
 キヨミはうつむいたが、「むー。自分だけ寒さを感じないなんてずるいです。」
「話をすりかえようとする、キヨミの方がずるい。」
 KAITOは意地悪を言いながら、キヨミの手をつかむ。「ほら、これであったかいだろ。」
 彼の言葉通り、体全体がぽかぽかしてきた。KAITOは魔法をかけてくれたらしい。
「暖かーい。」
「ついでに。」
 KAITOが左手を挙げ軽く振ると、モコモコと着膨れしていたキヨミの服が、少し露出度の高めな服になった。
「何ですか、この恥ずかしい服はー!」
 嬉しかった気持ちが吹っ飛んでしまった。
「俺からのクリスマスプレゼントってことで。」
「……KAITOさんって、本当に色魔じゃないんですか?」
「彼女に、ちょっとエロイかっこさせたぐらいで、色魔はねーだろ。そんなこと連想するキヨミの方が、よっぽどエロ娘だ。」
 KAITOは笑いながら歩き出す。
「そんなことないです!」
 キヨミはむくれながらも、彼についていく。手を放してしまったら、KAITOの魔法がとけて一気に寒くなるかもしれないというのもある。
 街を歩きながら、キヨミはKAITOへ言う。
「父が神父なのに、悪魔のあなたと付き合っているわたし達って、相当変ですよね。」
「おまえの父親も含めて、変わってると思う。」
 二人は笑い合った。



終わり

★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 創作王国で、クリスマスに小説書こうとサンタノベルズってイベがあって、それ用に書いた奴。
 キヨミはもっといい子の筈だったんだけど、あまりいい子だと、雪降ってるからデート行きたくないなんて言わないと思って、我が儘な子にw サイトに置く時は、KAITOにお尻を叩かれるENDを追加しよう。