ザンちゃんのブログ 小説

 10年程が過ぎた。クロートゥルは再び、大魔法使いとして名が知られるようになっていた。勇者はまだ子供だが、魔王の方はそれなりに強くなり、魔物の被害なども耳にするようになってきていた。クロートゥルへの依頼も、やっかいな魔物の退治などが増えてきた。
 そして……。クロートゥルを追い出した、かつての故郷からも依頼が届くようになった。故郷からの依頼は、何を置いても優先して片付けた。それで罪滅ぼしになるのかは分からなかったが、気持ちは大分楽になった。
 それはともかく……。
「神からの使命が来ない……。うーん。だったら、嫁さんが弟子でも探すか……。」
 『今から嫁を貰っても、師匠には見せられないけどさ……。』













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 大魔法使いになったクロートゥルのお話。弟子はコミPo!版の猫耳メイド・イリーダなので、こっちはM/Fばかりになる筈。

師匠と弟子2部 1
 クロートゥルが大魔法使いになった後。
 70歳程になり、車椅子での生活をしていたエイラルソスだったが、クロートゥルを育てて、弟子を育てる楽しさを知ったので、また育てたいと言い出す。若返りの薬を飲み、クロートゥルと出会った頃の40歳程の姿を取り戻す。
 弟子は二人。貴族の息子のイアン。大商人の息子ロサザード。

 神から使命が下る。
 ある城を魔王が放った軍隊が攻めてくる。その数500。クロートゥルと今回の勇者パーティを除く味方も500。
 クロートゥルは、味方を回復したり魔物を攻撃したりして、敵の数をなるべく減らすこと。しかも、出来るだけ勇者パーティと討伐数を近づけること。
「って何だよ、この使命。ふざけてんのかっ。モンスター討伐だけならまだしも、勇者と数を競い合うって何だよ。遊びじゃねーんだぞ。」
 クロートゥルは、怒りで震えながら吐き捨てる。「つーか、師匠の使命に対して、俺の使命大変過ぎだろ。500組のモンスター相手に戦いながら、後方支援までしろとか。」
 散々一人で愚痴った後、クロートゥルは、ははっと嗤う。
「神様なだけ合って、俺の性格をよく分かってんなー……。正直、すっげー、楽しそう。普段は師匠の忠告を守って、人前じゃ力をセーブしてるからな。でも、モンスターの大群相手なら、そして城を守るって大義名分があるなら、むしろ全力を出して良いんだよなぁ。誰も見てない海の上でダイオウイカとかばっかで遊んでたけど、今度は色んなモンスターと戦えるのか。今までの鬱憤を好きなだけはらせるって訳だ。」
 クロートゥルはふうっと息をつく。「人の命がかかってなきゃ、遊びとして楽しめるのに。後、勇者と数を競うってのもめんどくさい。俺が圧勝しちゃ駄目ってのが。程々に競い合って、勇者に花を持たせるってのがなぁ。」
 クロートゥルは首を振る。
「いやいや、俺、大魔法使いになってから随分と傲慢になってないか。今の勇者達なら、結構強いぞ? 俺が圧勝出来るかなんて、分からないじゃないか。」


 戦の日。クロートゥルが戦場へ行くと、既に各国の混成部隊と勇者パーティがいた。勇者パーティの側へ降りていくと、クロートゥルの存在に気付いた勇者パーティが手を振ってきた。今回の勇者は女性である。武闘家の男、攻撃と回復魔法使いの男女が一人ずつの4人パーティだ。
「クロートゥルも変なことを考えるよね。」
 開口一番、勇者の方が変なことを言い出し、クロートゥルは顔をしかめた。
「へ?」
「へ……じゃないだろ。今回の競い合う話、クロートゥルが言い出したって聞いたぞ。」
 武闘家が言う。
「はあああ? 誰がそんな事を……。何の為に、そんなふざけた提案するんだよ。」
 クロートゥルは、思い切り顔をしかめた。
「遊びたいとか。」「大魔法使いの気まぐれ。」「暇つぶし。」
 勇者達が次々と好き勝手なことを言い出したので、クロートゥルは溜め息をついた。
「提案したのは神だ。」
「……え?」
 勇者パーティがポカンとしている。
「神からの使命なんだよ。勇者達と競い合えって。最初は頭にきた。」
 クロートゥルは、肩をすくめる。「人の命がかかってなきゃ、勇者達と遊ぶのも面白そうだけどさー。」
「そうなんだ……。」
 勇者が驚いた顔になる。「まさか、神様の声を聴けるのが、あたし達以外にも居たなんて。」
「……へー。さすが勇者。神の声が聞こえるんだ。」
「うん。たまにだけど。」



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 ゲームとしては。
 プレイヤーは、敵500を0にしなければならない。最後の1はボス戦の為、余力も残しておく必要がある。更にクロートゥルに討伐数で勝つ必要がある。ちなみに味方500をなるべく残すと、クリア後に貰える褒賞が質のいい物になる。敵の500は減るだけだが、味方の500は減っても回復により、増やすことが出来る。
 500は500回戦闘をするわけではない。シンボルと接触すると、数パターンのモンスターが出て、そのパターンにより、10、30、50減る。一杯減る奴と出会えたらラッキーみたいな。500の下にクロートゥルの討伐数も出ていて、どっちが勝つかワクワク・ハラハラするみたいなw あんまり数が違うと面白くないので、ちょっと調整とか入るのかもw

 クロートゥルは、エイラルソスの遺産と先代勇者達(ミスヴィス達)から要らなくなった装備品を貰っているので、一定時間ごとにMP回復、詠唱時間短縮、魔法のストックなどが出来、魔法に関してはチート。ある意味中ボスとして出てきても良いくらいw 魔法に特化している代わりに、物理攻撃にとても弱いが、今回の勇者パーティとそういう争いが出来るのだ……。
 っていう小ネタを考えたけど、小説としてどう表現するんだw かといってツクールで、こんなの作れるような技術は無いしw

 ※勇者が初めてお仕置きした話とマーフリナの葛藤。


*****
 勇者が共通の財布を確認すると、少し減っていた。ミスヴィス達に、疑いたくはないが……と申し訳なさそうに聞く。
 ミスヴィスは、たまには冒険に関係の無い個人的に欲しい物を買いたかったと言い出す。皆で稼いだお金なんだから、別に良いでしょと開き直る。
「それなら言ってくれれば良かったのに。次はミスヴィスの新しい杖を買うつもりでいたのに、勝手なことを。」
「だって……。」
 ミスヴィスは俯いた。
「今のやり方に不満があるなら、お金を皆で分けて、それぞれで管理するやり方に戻してもいいんだ。その代わり、武器・防具は自分で買ってくれ。それか、ミスヴィスが全部管理するとか。」
「う……、そ・それは……。」
 そんな高度なことが出来るのなら、ミスヴィスは財布からお金を盗んでいないのである。
「等分しての分配は上手く行かなかったから、今のやり方になったんですよね。」
 マーフリナが言う。上手く行かなかった原因はミスヴィスの無駄遣いが原因だったのだが、そこには触れない。マーフリナの優しさに、ミスヴィスは申し訳ない気持ちが強くなった。
「だけど、ミスヴィスがそれじゃ不満みたいだし。」
「だ・だって……。お金があったら欲しい物を買いたくなるんだもん。」
 装備品の重要性はミスヴィスにだって充分に分かっている。装備品が良くなれば、それだけモンスターとの戦いも楽になるからだ。
「買うなとは言わない。ただ、盗みみたいなことをされると……。」
 勇者は溜め息をつく。「マーフリナ。悪いけど、ちょっと散歩でもしてきてくれないか。ミスヴィスとじっくり話し合いたい。」
「はい。」
 マーフリナが素直に出て行った。
「俺に不満があるのか? それとも頼み辛い雰囲気でもあるのか? 改善出来る所があるなら、努力するから言って欲しい。」
 勇者はリーダーではあるが、それを笠に着て威張ったりはしない。嬉しいが、こういう時は反論しにくい。横暴な人なら、思う存分我が儘が言えるのに……とミスヴィスは都合のいいことを考えていた。本当にそんな人だったら、絶対に嫌なのに。
「勇者君に不満なんてないよ……。ただ、後ろめたいから盗んじゃっただけ……。」
「後ろめたい?」
「だって、勇者君もマーフリナも、個人的な買い物なんて殆どしないじゃん。なのに、あたしだけアレもコレもって言い辛いっていうか……。皆で頑張ってモンスターと戦ったりして得たお金なのに、わたしだけ良い思いしたら……。」
 二人とも精神的に大人だから、絶対に責めることも顔に出すこともしないだろう。だが、面白くない気持ちは持つ筈なのだ。
「気持ちは分かるけど。でも、盗んだら、もっと気まずい状況になるとは思わなかったのか?」
「思ったけど……。」
「自分は悪いって自覚はあるんだ。」
「あるけど。でも……。」
 ミスヴィスが俯く。
「どうしたらいいんだろうな。ミスヴィスだけお小遣い制にでもすればいいんだろうか。」
「う……。」
「さっきも言ったけど、ミスヴィスの気持ちは分かるんだ。クロートゥルに言われたことあるけど、まだ俺等は10代じゃん。皆は毎日楽しく生きてて……。勿論、モンスターの脅威はあるし、楽なことばかりじゃ無い。だからこそ、俺達が頑張ってるわけだけど。」
「そうなんだよね。時々、皆が羨ましくなるよ。あたしだって、可愛い服着たり、お洒落したりしたいよ。モンスターと戦わなくて良い日々がくれば……。」
「だけど、誰かが魔王を倒さなきゃそんな日は来ない。俺達はモンスターに滅ぼされた村も見た。最前線で戦ってる兵士を支える家族も見た。もし俺達が、皆のように戦う力の無い一般人だったら……。」
「殺されるか、祈るしか無いよね……。でも、あたし達には戦う力がある。」
「そう。痛い思いや怖い思いはするけど、戦えるんだ。力の無い人達からすれば、俺達は救世主だ。たまには羨まれたり、嫉妬されたり、金の要らない傭兵扱いされたり、嫌な思いもするけどさ。でも、そんな嫌な人達も、モンスターの前では何も出来ない。」
「そうだよね。お洒落は出来ないけど、皆の希望にはなってる。それに、モンスターを前にしても、戦える。」
「俺達は普通の10代の楽しみは味わえないかも知れないけど、代わりにモンスターに怯える日々は送らなくて良いんだ。それは確かだろ。」
「うん。勇者君。有り難う。」
 ミスヴィスが嬉しそうな顔をした後、俯く。「あたし、ほんと悪いことしちゃったよね……。どう償ったらいいんだろう。」
「……俺さ、両親に尻叩かれながら育ったんだ。お前は勇者になるんだからって。怠けてたりするとすぐ叩かれてさ。怖いから頑張って剣振ってた。」
「……え、勇者君が……。ってか真面目な勇者君が怠けるだなんて……。想像付かないよ。」
「それこそ、さっきまでのミスヴィスと同じ。皆は遊び回ってるのに、俺だけ剣の稽古をさせられるんだから、嫌で、嫌で。勇者はかっこいいけど、だからって小さい子供にとって、どっちが大事かって言ったら。」
「遊びたいよね……。」
「ん。まあ、そんなわけで、俺にとって償いって言ったら尻叩きなんだけど。」
「……。」
「やらしい気持ちで言ってると思われても困るけどさ。」
「勇者君じゃなかったら、そう思うとこだけど……。分かった。他に謝る方法も思いつかないし、痛いのを我慢したら、勇者君が許してくれるなら、それで……。」
 ミスヴィスが勇者の膝に俯せになる。「お仕置きお願いします。」
「……勢いで言ってみたけど、恥ずかしくなってきた……。二人のこと、なるべく女性として意識しないようにしてきたし……。」
「そんな努力してたんだ……。あたしだって恥ずかしいよ……。こ・こんなちっちゃい子みたいな……。で・でも、いいの!」
「分かった。よ・よし、じゃあ……。」
 




*****
 お仕置きのお陰で反省しつつも、前よりも気楽になり、時々我が儘を言い叩かれるようになるミスヴィス。勇者もそんな彼女に呆れつつも、同じように気楽に接することが出来るようになった。
 そして。
 お尻叩きがあったと知ったマーフリナは、二人がぎくしゃくするのではと不安に思っていた。だが、実際はお仕置きがあったからこそ、何処か他人行儀だった気持ちの壁が取り払われたのだと知る。驚くもののこれから先、そんなんではやりにくいので安堵していたが……。
 二人の親密さが羨ましくなってきたマーフリナ。とはいえ、神に仕える身で、慎ましく生きてきた彼女はミスヴィスのような我が儘は思いつかない。どうしたらいいのか、分からない、




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 寝ながら思いついた話。その時はミスヴィスが開き直って勇者が叩いてたのに。変わったなぁw


 依頼終了後。エイラルソスがクロートゥルの腕を掴んだまま、キョロキョロしながら歩いていた。
「師匠……。ご免なさい。反省しましたぁ。心を入れ替えますー。もう、偉い人に会いたくないなんて、我が儘は言いませんから……。」
「駄目だ。我が儘の罰を与えないと。クロートゥルの為にならない。」
 エイラルソスはクロートゥルのお仕置きを出来る場所を探しているのである。立ったまま叩かれることもよくあるのだが、今回はしっかりお仕置きしたいらしい。そういう時は家の中の場合、地下室だと、普段は階段に座って叩かれたりもするのに、わざわざエイラルソスの部屋まで連れて行かれたりもする。
 なので、クロートゥルは焦っていた。外で下着まで下ろされて叩かれるのは御免被りたい。故郷の村でそうされた時は、クロートゥルが懸念していたのとは違い誰にも笑われなかったが、違う場所では笑い声が聞こえた。村人はクロートゥルを知っているから、笑わないでいてくれただけなのだ。村で叩かれた時に、誰も笑わなかったとエイラルソスに言われたことを指摘すると、恥ずかしいのも罰になっていいのではと言われてしまった。更に、そもそも叩かれるように事をするお前が悪いとも。開き直っているようにも思えたので反論したかったが、正論なので言い返せなかったことを覚えている。
 だからクロートゥルとしては、どうしても外でのお仕置きは避けたいのだ。
「師匠ー。お仕置きは当然なので受けますけど、別に外じゃなくても良いでしょう? 家に帰りましょうよー。」
「我が儘の罰なのに、更に我が儘を重ねるとは……。そうだな。クロートゥルの言う通り、家に帰ってしっかり鞭で打つことにしようか。」
「ひっ。ご・ごめ・ご免なさい。そ・外でのお仕置きでいいです……。」
 クロートゥルはガタガタ震えながら謝った。鞭で叩かれるくらいなら、恥ずかしい方がよっぽどマシだ。
 エイラルソスが呆れた顔で溜め息をついたが、また引っ張られ始めたので、鞭は勘弁してくれるようだ。クロートゥルはホッと息を吐き出した。
 うろうろ探し回った結果、いくつかのベンチが置いてある広場が見つかったので、クロートゥルは覚悟を決めた。恥ずかしいのもそうだが、かなり叩かれる筈だ。恥ずかしさを軽減する為にも、なるべく声を出さないようにしなければと思う。それに、そこに集中していれば、笑われても恥ずかしさを感じずにすむ。
 ベンチに腰掛けたエイラルソスがクロートゥルを見た。
「ほら、尻を出して膝に乗れ。」
「いきなり裸の尻ですか……。」
「我が儘を2回も言ったんだから、それくらい当然だろう。それとも今から家に帰り、鞭を……。」
「出します、出しますから、鞭は勘弁して下さい!」
 二人のやりとりに、公園に居た人達が何事かという顔をしている。エイラルソスだけではなく、クロートゥルの顔も売れ始めているので、ただでさえ注目されやすいのだ。
 『それなのに、皆の前で裸の尻を叩かれるとは……。師匠は厳しすぎるぜ、ほんと。』
 ローブをたくし上げ、下に穿いているズボンとパンツを下ろす。ローブが目隠しになるので、息子を衆人環視に晒すという目には遭わずに済むが、お尻はそうもいかない。クロートゥルはぴちぴちの女の子ならともかく、30近いおっさんの尻なんて誰が見たいんだ……と思いつつ、エイラルソスの膝に俯せになる。
「しっかり反省するんだぞ。」
 言葉と共に手がお尻に降ってきた。エイラルソスはそれ程、怒っているようにも見えなかったが、実際は違ったらしく、最初の1発から大分痛かった。



後日。クロートゥルが町中でエイラルソスに叩かれてて、ミスヴィスに見られて笑われる。クロートゥルは、怒ることはなく、傷つけてしまったお詫びになったかなと言い、ミスヴィスに、そんなの気にしなくて良いのにと言われる。

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 ちょっと書きたくなったのでw